謹啓 初夏の候 益々御清祥のこととお慶び申し上げます
さて 私こと 過日開催された総会におきまして、理事長を拝命いたしました。大役を仰せつかり身の引き締まる思いですが、使命を全うすべく、尽力を尽くす所存でございます。
当協会は、石州流の正しい道統を守り、その伝承を確実にするため、全国各地の石州流の親睦団体を組織する必要があるとの彦根一會流の故・神野潔先生の御発案により平成元年に設立されて、来年は三十周年を迎えることとなります。
ここに至るには、最高顧問であられた今は亡き野村瑞典先生の熱心な御指導と並々ならぬ御尽力なくしては成し得なかったものと考えます。
野村先生は、機関誌「関」において「石州流の茶乃湯は勉強する茶乃湯である」との神野先生の持論を紹介しながら、「勉強する茶乃湯」とは文化の本質を守り伝えることであり、「かたくなに」守り伝えられてきた各派の点前の正しい伝承と、それぞれの師の所作の継承があり、その上で底辺が拡大することが望ましいことであり、また、一人一人の石州流茶人が一人の後継者を確実に育てることが、石州流茶乃湯に対する「恩返し」であると述べています。
価値観の多様化、生活様式の洋風化、少子高齢化の進展等に伴い、茶乃湯人口の減少が危惧される今日こそ、私たち石州流茶人はお二人の言葉を再確認し、実践する必要があると思います。
当協会の主要事業である全国大会と「関」の発行等を通じて、両氏が挙げた崇高な目標の実現に向けて、浅学菲才の身ではありますが努めてまいりますので、引き継ぎ、御指導、御支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
謹言
石州流茶道水戸何陋会 内
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